11月1日は、点字記念日です。

以下の文章は、8年前の今日、ブログに書いたものです。

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点字は、視覚に障害を持つ人のために、平仮名に数字、ローマ字などを、六つの点で表記するものです。
日本語用の点字が定められたのは、今から118年前の1890年(明治23年)のことです。
それまでは、欧米の点字を利用したローマ字綴りによって表記されていたそうです。

当時、官立東京盲唖学校長・小西信八が、かな文字にあった点字の研究を教員や生徒らに依頼したところ、三つの案が出されました。
それらを検討した結果、東京盲亜学校の教員・石川倉次が考案した6点式点字案が、満場一致で正式に日本語の点字として採用されました。
その選考会が開かれたのが、今日なのです。

石川倉次先生はその後、点字器や点字タイプライターを開発し、「日本点字の父」と言われるようになりました。


私は20年ほど前に点字を習い、点字器を使い始め、2年後には点字タイプが打てるようになりました。
6点式点字は、実によく出来ています。
三つの点で母音を、三つの点で子音を表わします。
母音と子音の組み合わせということでは、ローマ字的というか、ハングル文字的といってよいでしょう。

興味のある人は、ウィキペディアの「点字」のページに、50音の点字表がありますので、下記をクリックして、ご覧になって下さい。
URL http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%B9%E5%AD%97

点字器を使って点字を打つときは、鉄筆を使って紙に凹みをつけます。
点字を読むときは、その紙を裏返して、凸部を読みます。
そのため、書くときと読むときは、左右が逆転します。
書くときは、右から左に書きますが、読むときは、左から右に読むのです。
初めはごちゃごちゃにもなりましたが、じきに慣れて、読みと書きを正確に使い分けることが出来るようになりました。

点字は、指で触って読むものですが、目が見える人が点字を触っても、先ず読めるものではありません。
視力に障害のある人は、視覚を補うために聴覚や嗅覚、耳や鼻、皮膚感覚、記憶力などが非常に発達するようです。

かつては、栄養不足や病気などで、生まれながら、あるいは幼くして目が不自由という人が多くありましたが、現在は、栄養の摂り過ぎによる病気や事故などにより、中高年で失明されるケースが増えており、けれどもそういう人が指で点字を読めるようになるのは、なかなか困難でしょう。
目の不自由な人が糖尿病になって、指先の感覚が鈍くなり、点字が読めなくなったという話も聞きました。

皆様、食べ過ぎ、飲み過ぎにはお互い、注意しましょうね。

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点字に限らず、障害を持っておられる方々とのコミュニケーション手段を学ぶのは、とてもよいことでしょう。
建物のバリアフリー化、ユニバーサルデザインなど、ハード面に関する研究、実用化は進んでいるようですが、重要なのはソフト面、私たち、人と人の関わり方です。
すべての人に優しくするなどということが出来るはずもありませんが、一点突破、自分の身近なところで出来ることを実行していきたいと思います。

今日が点字記念日と気づいて、改めて考えてみました。