「主が御声を発せられると、天の大水はどよめく。地の果てから雨雲を湧き上がらせ、稲妻を放って雨を降らせ、風を倉から送り出される。」 エレミヤ書10章13節


 10章では、主なる神に背いて異教の偶像を拝む空しさを笑い、まことの神の力とその御業を誉め讃えています。異教の神々の像は、木を彫って作られ(3節)、その上に金や銀の箔を張って飾られています(4節)。勿論、偶像が口を利いたり、歩き出したりすることはありません。エレミヤはそれを、「きゅうり畑のかかしのよう」と笑います(5節)。像を拝む人々も、実際に神に模して作られた木像が口を利き、歩き出すと考えていないでしょうし、それゆえ、彼らが拝んでいるのは、木像そのものではないと言うでしょう。

 しかし、美しい自然を写真に収めたり、絵に描いてストックするように、目に見えない神を描き、また像に刻むことは出来ません。神にかたちを与えることは、神を自分のものにしよう、自分のある思いの中に神を閉じ込めようとする行為にほかならないのではないでしょうか。

 ただ、像を作らなければよいということでもありません。かつて、ローマ・カトリック教会が免罪符を売り出したのは、教会堂を建て直す資金を集めるという自分たちの目的のために、神の救いの恵みを利用するという意味で、神を偶像化したものと言わざるを得ません。

 その意味では、姿かたちであれ、御言葉であれ、御業であれ、私たちがそれを定義づけて表現しようとするとき、絵画や彫刻ばかりでなく、音楽にせよ、あるいはまた言葉でするにせよ、絶えず偶像化の危険が伴っていることになります。そのような罠に陥らないためには、常に神を畏れ、その御言葉に信仰をもって従順に聴き従うほかありません(6,7節、詩編119編9節以下など)。

 エレミヤは神について、「主は真理の神、命の神、永遠を支配する王」(10節)、「御力をもって大地を造り、知恵をもって世界を堅く据え、英知をもって天を広げられた方」(12節)、「万物の創造者であり、イスラエルはその方の嗣業の民である。その御名は万軍の主」(16節)と言い、一方、「天と地を造らなかった神々は、地の上、天の下から滅び去る」(11節)と告げます。

 そして、冒頭の言葉(13節)のとおり、「主が御声を発せられると、天の大水はどよめく。地の果てから雨雲を湧き上がらせ、稲妻を放って雨を降らせ、風を倉から送り出される」と語ります。イスラエル周辺では、天と地、稲妻や雨なども、神として礼拝の対象になりました。エレミヤは、それらはすべて神の被造物であり、まことの神は、御声をもってそれらのものを従わせておられると、告げているわけです。

 あらためて、私たちの神はどのようなお方でしょうか。今も私たちのために力強く働いていて下さるお方でしょうか。

 1993年の秋、甲子園球場を舞台に、大きな集会が開かれた際、冒頭の言葉から主題歌が造られました。グランドに十字架の形をした大きな講壇が設けられ、バックスクリーンには、講壇のメッセンジャーが映し出されました。日本全国から、毎日3万人以上の人々が詰め掛け、スタンドや球場内の席を埋めました。毎晩、何百人もの人々が主イエスを信じて救いに与りました。集会の中で病気が癒される人もありました。

 翌年には、米国の伝道者ビリー・グラハムが来日して、東京ドームで伝道集会が開催され、その様子が衛星放送で全国各地の集会場に同時配信されました。私はそのとき、四国・松山でこの集会に参加しました。大きなスクリーンに映し出される集会の光景を見ながら、すごい時代になったなあと思ったものです。

 神がその御力を表されるなら、日本国内でもっともっと大きな集会が催され、多くの人々に救いの御業が開かれるようになることでしょう。神の恵みが大雨のごとく降り注ぎ、いたるところで偉大な神の御業を見るようになるでしょう。

 しかしながら、主イエスが故郷のザレの町では、「人々が不信仰だったので、そこではあまり奇跡をなされなかった」(マタイ福音書13章58節)と言われるように、私たちが主に大いなることを期待して、神に聴き、御言葉に従う信仰を表さなければ、そのような神の御業を見ることが出来ないでしょう。

 日々主を尋ね求め、御霊に満たされ、主の証人としての使命を果たすことが出来るように、祈りましょう。家族の救い、知人友人の救いを求めて祈りましょう。「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたも、その家族も救われます」(使徒言行録16章31節)と約束されているからです。

 主よ、あなたは御声をもって天地万物を創造し、御心のままにそれらを用いられます。この地に主の御業が表されますように。私たちの家族が、知人友人が全員救われますように。そのために私たちが用いられますように。御言葉に耳を傾け、喜びをもって素直に従う信仰と、上よりの知恵を授けて下さい。 アーメン