「神が(駝鳥に)知恵を貸し与えず、分別を分け与えなかったからだ。」 ヨブ記39章17節
 
 
39章では、
神はヨブの目を、地上の動物たちに向けさせます。山羊(1節a)や鹿(1節b以下)、野ろば(5節以下)、野牛(9節以下)、駝鳥(13節以下)、馬(19節以下)、鷹(26節)、鷲(27節以下)など、ここに描かれている動物たちの生態について、私は殆ど何も知りません。これらが科学的に正確な描写であるのかどうかも分かりません。神が造られた動物で、その名を知っている動物でも、分からないことだらけです。
 
 ここにあげられている動物の中で、駝鳥の評価が最も低いようです。鳥なのにコウノトリのように空は飛べませんし(13節)、卵は産みっぱなし(14,15節)、雛を守ろうともしない(16節)というような、ひどい言われようです。そして、その理由は、冒頭の言葉(17節)のとおり、神が駝鳥に知恵、分別を与えなかったからだと書かれております。
 
 それでも神は、駝鳥を見捨てて滅びるにまかせておられるというわけではありません。種が絶滅することのないように、駝鳥にも神の特別な配慮があるのです。駝鳥は強靱な脚力で、馬やその乗り手(人間)をあざ笑うかのような走りが出来ます。
 
 人間は、神のかたちに創造されており(創世記1章26節以下)、被造物の中の最高傑作だと言われます。しかし、評価の最も低い駝鳥を、自分の思い通りに動かすことなど、容易に出来るものではありません。
 
 神は何故、駝鳥のような鳥を創られたのでしょうか。それは、神にしか分かりません。誰もその奥義を悟ることは出来ません。神に代わることは出来ないのです。
 
 最近話題の鳥インフルエンザ対策の一つとして注目されているのが、駝鳥の卵を使って鳥インフルエンザの抗体を作るというものです。この抗体を吹き付けた防護マスクでインフルエンザ・ウイルスから感染力を奪い、ウイルス感染を完全に防御することが出来るそうで、そのマスクは市販されています。評判がよくて、売り切れ状態が続いているとも聞きました。
 
 何でも、駝鳥の卵は病原体への抵抗力が強く、その上、鶏の卵の20~25倍の大きさがあり、卵1個からマスク8万枚分の抗体がとれるそうです。また、卵1個の抗体からインフルエンザ検査薬が2万人分作れるとも報道されています。
 
 駝鳥は年間100個近い卵を産むそうで、しかも、駝鳥の寿命は60年以上、産卵期間も40年ほどあることから、同質の抗体を長期間にわたって安定供給出来ることも強みということでした。また、肉は高タンパク低脂肪で健康志向で需要が高まり、世界各地に飼育農場が増加しているそうです。
 
 勿論、鳥インフルエンザ対策やメタボ対策という、人間の健康保持のために、神が駝鳥を創造されたわけではないでしょう。とはいえ、駝鳥のお蔭で私たち人間の命が守られるというのは、確かなことです。
 
 いずれにせよ、神が造られた被造物の多様さ、しかも、その一つ一つに注がれた配慮の細やかさには、目を見張るばかりです。
 
 神がヨブに創造の神秘を語られるのは、被造物一つ一つに込められている神の深い御心に気づかせるためでしょう。そして、それによって、ヨブの上にも神の特別な配慮があることを気づかせるためだったのではないでしょうか。
 
 主イエスが、「二羽の雀が一アサリオンで売られているではないか。だが、その一羽さえ、あなたがたの父のお許しがなければ、地に落ちることはない。あなたがたの髪の毛までも一本残らず数えられている。だから、恐れるな。あなたがたは、たくさんの雀よりも張るかにまさっている」(マタイ福音書10章29~31節)と言われました(1アサリオン=16分の1デナリオン≒300円)。
 
 ルカ12章6節では「五羽の雀が二アサリオンで売られているではないか」と言われており、4羽買うと1羽おまけでついてくるという雀について、神が航空管制官よろしく、地に落ちることがないように目を留めておられるのです。
 
 慈しみ深い神に信頼し、すべてをその御手に委ねることの出来る者は幸いです。「お前たちは、立ち帰って静かにしているならば救われる。安らかに信頼していることにこそ力がある」(イザヤ書30章15節)と言われているとおりです。
 
 主よ、あなたの御名はいかに力強く、全地に満ちていることでしょう。あなたの威光をたたえます。あなたの指の業を仰ぎます。月も星も、あなたが配置なさったもの。そのあなたが御心に留めて下さるとは、人間は何者なのでしょう。心を尽くして感謝し、その御愛を語り伝えましょう。全世界に主イエスの平和が豊かにありますように。アーメン